January 01, 2004
林達夫×久野収『思想のドラマトゥルギー』平凡社
学生時代粉川哲夫さんの授業をとっていました。といっても、粉川さんは現在教官をされている前のさらにその前の大学で、まだ常勤講師という肩書きでした。粉川さんの講座は現象学。しかし、フッサールやメルロ=ポンティなどはまるでやりませんでした。現象学とは能動的なレクチュールの方法の学だというのが粉川さんの持論。文化解読にとって有効性があるから現象学をやるわけで、アクチュアリティを失った哲学の一分野としての現象学などまったく意味がない、とすら言っておられました。という粉川さんの選んだテキストがこれ。現象学ということばは一回も出てこない対談集。ですが、文化を能動的に理解することとは、文化そのものにかかわることであり、文化を読み替えつくり変えていくいことだということが二人の小気味よい対話から読み取れます。粉川さん的には、現象学でまったくOKというわけです。これってある意味カルスタって感じもしますね、今読むと。
林達夫×久野収『思想のドラマトゥルギー』平凡社 1974
林達夫×久野収『思想のドラマトゥルギー』平凡社 1974
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。