April 21, 2004
『DECODE』Premiere Edition東邦出版 1982年
見せられないのが残念ですが、ガンダレ仕様の表紙裏にいきなりディヴァインのポートレイトがサイン入りで載っているこの雑誌、なんだかわかりますか。たった1号で世の中から消えてしまった、ニューウェーヴでラディカルで超ポップなオカルトマガジンなのです。トビラのリードにはこう書かれていました。「文化価値を定位させることなく加速し続けることの宿命……その中に現代文化の原理的中核としてのオカルト衝動が伏在する。(…)それら霊的ボルテージは、現代文化の最も先鋭化されたカルチャー・ニューウェイヴの中に検証可能である。いや、少なくとも現代文化に伏在するオカルト衝動とは、規格化された文化価値の中にエンコードされた情報から、デコード(解読)へという能動的な掛け橋を提起しているのである」。今見ると、Webがまだ軍事用のインフラでしかなかった80年代の初頭に、ペーパーメデイアでサイトを立ち上げたという感じ。執筆陣には、阿基米得、武田洋一、浅井雅志、美沢真之助、法水金太郎といったアングラ、オカルト系のライターにまじって、四方田犬彦も「皮膚・汚辱・恐怖」なんていうおぞましいエッセイを寄稿しています。また、ロットリンガーのジャック・スミスへのインタビューという、ヒップこのうえない記事まである! しかし、なんといっても、この雑誌のフィクサーはといえば、あの武邑光裕なのですね。G・I・グルジェフのオタクは、絶対持っていなければいけない一冊でしょう。
『DECODE』Premiere Edition東邦出版 1982年
『DECODE』Premiere Edition東邦出版 1982年
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