June 05, 2004
『エピステーメー』創刊準備号 1975年 朝日出版社
『エピステーメー』は、フランス現代思想オタクのコレクターズアイテムといっていいでしょう。ミッシェル・フーコー/白井健三郎訳「エピステーメーとアルケオロジー」、蓮實重彦「ディスクールの廃虚と分身」の2本の論文が収められた本誌には、次号(創刊号)より始まる連載が奥ゆかしく、しかし自信たっぷりに紹介されています。呉茂一「古典へのチチェローネ」、小尾信爾「進化する宇宙」、氷上英廣「ニーチェの気流圏」、渡辺格「人間の終焉」、グスタフ・ルネ・ホッケ/種村季弘訳「絶望と確信」、荒井献ほか訳「ヘルメス文書」、廣松渉「マルクス・エンゲルスの思想圏」。そして記念すべき創刊号の特集は「記号+レクチュール」。フランス現代思想の専門誌というよりは、大森荘蔵さんがビックバンを起した雑誌として僕の中では長く記憶されることになるのです。『エピステーメー』のもう一つの特徴は、杉浦康平さんのグラフィックデザインがやっぱり大爆発を起したことでしょう。すでにこの準備号からしてすごかったのですから。ご覧のように、全て左側のページにはテキスト、右側には○×△□の有名な女性像が裁ち落としで載り、しかもペラペラまんがのように大から小へ大きさを変えながら、反時計回りに移動していくというものでした。全ページ見せられないのが本当に残念です。古書店で見つけたらぜひぱらぱらとめくってみて下さい。でも、間違ってもこのグラフィックはなんのため? なんて思っちゃダメですよ。
『エピステーメー』創刊準備号 1975 朝日出版社
圧倒的に無意味なページネーションが炸裂します。
『エピステーメー』創刊準備号 1975 朝日出版社
圧倒的に無意味なページネーションが炸裂します。
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